4.抵当権抹消登記について
お金を借りたりして、不動産に担保(抵当権や根抵当権など)がある場合に、借金やローン
を返済すれば、抵当権等の登記を抹消することになります。
抵当権抹消登記は、借入金完済後、できるだけ速やかに行った方が良いでしょう。
抵当権抹消登記をせず放置しておくと
①不動産の売却、新たな抵当権設定が難しくなる
②金融機関等から入手した抹消登記申請書類の紛失・有効期限経過等の危険がある
③さらに長期間(20年以上)放置すると、休眠担保権の抹消手続をすることになり余計な
費用・手間がかかる
等が予想されます。
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4-1.抵当権が消滅する場合
4-2.(根)抵当権抹消登記の必要書類、登記費用
4-3.休眠担保権の抹消について
4-1.抵当権が消滅する場合
抵当権が消滅する場合には以下のように、一般的な原因である①②と特殊な原因である③以
下があります。
①債務(借金)の返済
②債権者と抵当権設定者(兼債務者)による合意解除
③抵当不動産(土地、建物)の滅失
④第三者の目的不動産の時効取得
⑤抵当権の絶対的放棄
⑥混同(債権債務の混同、物件の混同)
⑦被担保債権の時効消滅(10年)
⑧抵当権の実行による競売
⑨代価弁済
⑩抵当権消滅請求
⑪休眠担保権の抹消
4-2.(根)抵当権抹消登記の必要書類、登記費用
必要書類
(根)抵当権者(金融機関等)
①(根)抵当権の権利証(登記済証、登記識別情報)
②登記原因証明情報(抵当権解除証書、弁済証書など)
③本人確認情報(運転免許証 、マイナンバーカードなど)
④委任状(認印で可)
⑤会社法人等番号
(根) 抵当権設定者(不動産の所有者)
①本人確認情報(運転免許証、マイナンバーカードなど)
②委任状 (認印で可)
【通常の抵当権抹消の登記費用】
【登記費用】 | 消費税込み |
---|---|
報酬 |
\11,000~ (※1) |
登録免許税 | 不動産1個につき \1,000 |
実費等 | 登記事項証明書等の取得費用 |
※1 不動産5個以上は1個毎に、¥1,100追加
4-3.休眠担保権の抹消について
休眠担保権とは、現在でも抹消されることなく残存する明治・大正・昭和初期に設定された
古い担保権のことを言います。このような古い抵当権でも登記上抹消されずに残っている以
上、その不動産は売却も新たな担保権も設定できません。
抵当権を抹消するには、抵当権者の協力が必要となりますが(上記4-2必要書類ご参照)
、休眠担保権の場合、なにぶん古い担保権ですので、担保権者が法人であれ個人であれ、そ
のまま存在していることは、ほとんどないでしょう。
このため、休眠担保権を抹消するためのいくつかの特別な方法が規定されています。
1.担保権者が行方不明でない場合 →原則共同申請
①担保権者。相続人全員、承継法人と協力し抹消手続を行う
②担保権者である法人が、解散または清算結了の場合、清算人と協力して抹消手続を行う
③担保権者を相手方とする訴訟
2。担保権者が不明の場合 →単独申請
①「弁済証書」等による抹消(不動産登記法第70条第3項前段)
②「解除判決」による抹消(不動産登記法第70条第1項、第2項)
③弁済供託による抹消(不動産登記法第70条第3項後段)
④公示送達により担保権者を相手方とする訴訟
上記いずれの場合も、通常の抵当権抹消に比べ、調査・手続に時間を要し、費用(裁判費用
、供託費用、必要書類取得費用、司法書士報酬等)もかかります。
【休眠担保権抹消の登記費用】
【登記費用】 | 消費税込み |
---|---|
報酬 | \33,000~ (※1) |
登録免許税 | 不動産1個につき \1,000 |
実費等 | 裁判費用、供託費用、必要書類の取寄費用 |
※1 不動産5個以上は1個毎に、¥1,100追加